macOS 環境のための CircleCI Orbs を公開しました
この記事 CircleCI Advent Calendar 2018 の25日目の投稿です。
TL;DR
CircleCI での iOS アプリの開発に利用していた、設定を汎用化し、CircleCI Orbs Registry に公開した、以下の Orbs の使い方と、開発のモチベーションについて記載します。
これらの Orbs のソースコードは、全て以下のリポジトリで管理しています。
モチベーション
2014年より、オープンソースで開発している iPhone, iPad, Apple Watch 向け CircleCI クライアント CI2Go は、もちろん、CircleCI の macOS 環境を利用して 継続的インテグレーション・デリバリー を行なっています。
バージョン 1 の時代は、CircleCI 1.0 でのビルド環境を使い、fastlane などの周辺ツールも、今ほど機能が豊富ではなかったので、色々試行錯誤してきました。
ref: iOS アプリの継続ビルドを CircleCI に変更した
2017 年 に CircleCI 2.0 が発表され、同年11月 macOS サポートも開始しました。
しばらく iOS 開発から離れた仕事をしていたので、指を加えて見ているだけでしたが、今年、しばらくメンテナンスが止まっていた CI2Go の CocoaPods での依存解決, Realm (オフラインサポート) を廃止し、バージョン 2.0 として Swift 4, Carthage を使い再構築を行いました。
ref: CI2Go バージョン 2
その当時の設定ファイルが、以下のようなものです。
Workflows を採用することで、ビルドプロセスの見通しがよくなり、fastlane の進化により、以前のような、証明書関連や、依存解決に関わるヤクの毛刈りはほとんどなくなりました。
以降、いくつかのプロジェクトで、この CI2Go の CircleCI 設定をコピーして、他のプロジェクトで活用してきました。
今年、11月に CircleCI Orbs が、一般に利用可能になったため、これらの設定を汎用化し、CircleCI Orbs Registry に公開しました。
利用方法
ngs
の名前空間で公開しているこれらの Orb は認証を得ていない、サードパーティですので、CircleCI 画面左側ナビゲーション > Settings > Security (https://circleci.com/gh/organizations/{orgname}/settings#security
)
より、一つ目のラジオボタン Yes, allow all members of my organization to publish dev orbs...
を選択してください。
また、プロジェクト設定 > Build Settings > Advanced Settings の Enable build processing (preview) https://circleci.com/gh/{orgname}/{repo}/edit#advanced-settings
がオフになっている場合は、そちらも On にしてください。
Carthage
Carthage の依存解決を行います。
デプロイメントターゲットを指定することにより、参照先とプロジェクトのデプロイメントターゲットの乖離による App Store Connect アップロード時のエラーを防ぎます。
ref: Xcode 10 GM - Invalid Binary Architecture when submitting to App Store Connect?
version: 2.1
orbs:
carthage: ngs/carthage@0.0.2
jobs:
main:
macos:
xcode: 10.1.0
steps:
- carthage/setup:
platforms: iOS,watchOS
watch_os: '5.0'
iphone_os: '11.0'
cache_key_prefix: 2-carthage-
- ...
workflows:
main:
jobs:
- main
fastlane
fastlane コマンドと、依存する RubyGems の解決を行う Bundler コマンドを実行する、コマンド、実行に求められる環境変数が備わった Executor、単体の lane を実行するジョブを提供します。
version: 2.1
orbs:
fastlane: ngs/fastlane@0.0.2
jobs:
build_and_deploy:
executor: fastlane/macos
steps:
- fastlane/bundle-install
- fastlane/lane:
command: run match --readonly --type adhoc
- fastlane/lane:
command: my_app_build
- fastlane/lane:
command: my_app_deploy
- ...
workflows:
build_and_deploy:
jobs:
- build_and_deploy
- fastlane/lane:
command: my_single_lane
SwiftLint, Danger
Danger と SwiftLint を実行するジョブを提供します。
version: 2.1
orbs:
swiftlint: ngs/swiftlint@0.0.1
danger: ngs/danger@0.0.1
workflows:
build_and_deploy:
jobs:
- swiftlint/run
- danger/run
macOS 関連以外の Orbs
macOS 関連以外の業務に関わる Orb も公開しています。
- ngs/clamav : コンテナ内のファイルに対して ClamAV を使って、マルウェアが含まれていないか検査します
- ngs/dotnet : .NET Core 向けに開発されたプロジェクトを .NET CLI を使い操作します。
今回紹介した、macOS 向けのものも含めて、公開している Orbs は、まだ様々なユースケースに対応できているとは言えません。
是非、活用いただき、GitHub Issues でフィードバックをいただけたらと思います。